SHIROBAKOで学ぶプロジェクトマネジメント #2 長時間労働のデメリット
SHIROBAKO #02 あるぴんはいます!
4話の制作状況が逼迫し、慌てるあおい。3話作画監督の遠藤にヘルプを直訴し、やり取りの末、なんとか承諾を得る。だが、一難去ってまた一難−−。4話のダビングに出向いたあおいは、監督と演出家のリテイクに対する応酬に胸を騒がせることに。声優の演技に触発された監督の注文は、音付けから次第にエスカレートし、絵に対するものへと矛先を変えていく。そしてあおいは、監督から発せられた、信じられない一言を耳にした。
主な出来事
- 瀬川さんが過負荷により発熱して休養
- 作画リテイク
TL; DR
- 長時間労働を肯定すると問題が見えなくなる
- 手戻りが発生したら、プロセスの改善によって次回以降で同じようなことを避けるべき
長時間労働のデメリット
パフォーマンスの低下
明らかになったのは、1日に動ける時間の長さや、体の部位を動かせる回数は人それぞれに決まっていて、「昨日の遅れを今日取り戻そう」と長時間働いても、こなせる仕事量は実はほとんど増えないということです。
劇中でも瀬川さんが過労による発熱によりダウンし、トータルで見たときの成果として長時間労働した分成果が増えたかは疑問である。もちろん締め切りに間に合わせるという意味での成果はあったが、ダウンした分は後ろのスケジュールにしわ寄せが行ってるのでトータルでみるとどうなんだろうか、という。
問題が見えなくなる
コストとリターンのトレードオフを考慮した上で、クオリティを上げるための作画リテイクは選択肢として常に持つべき(劇中で手戻りによるコスト増の話が出ないところに闇を感じる部分もあるが)。
しかし、「徹夜して頑張ったらいいものができた!」と暗に長時間労働を肯定するような描き方をされてる印象を受けた。
「時間内に終わらなければ残業すればいい」という考え方で対処していると、なぜ仕事が終わらないかという理由がわからず、…常に同じ問題が繰り返し発生し続けることになります。 つまり、問題を顕在化し改善する絶好の機会が、残業によって奪われてしまうのです。
「残業ゼロの仕事力」吉越浩一郎(日本能率協会マネジメントセンター、2007年) p.17
リテイクによってスケジュールが圧迫されたなら、事後に、
- リテイクの原因をつきとめる
- 根本的な解決策を考える
- 再発を防止する
ことで、プロセスを改善して同じクオリティの成果をより少ない時間で出せるようにする必要がある。
木こりのジレンマにハマると組織として競争力を失っていく。プロセスの改善ができない組織はいずれ淘汰されるのではないかという危機感から、イテレーションの振り返りを行っているのであります。
まとめ
- 長時間労働は生産性を下げる
- 長時間労働は問題点を覆い隠す
- プロセスの改善によって成果物のクオリティを上げないと死ぬかもしれないの怖い