SHIROBAKOで学ぶプロジェクトマネジメント #3 えくそだすっ!プロジェクト振り返り
SHIROBAKO Advent Calendar 201716日目です。
本日は、えくそだすっ!プロジェクトの振り返りをやっていきたいと思います。
高梨、スケジュールの遅延を報告しない
瀬川さん、過負荷により休養
宮森、Todoを覚えようとしている
- 「状況を報告せよ」という言葉で一生懸命思い出そうとする宮森
- しかし混乱してすぐには答えられない
問題点
- Todoを脳内で記憶するというのは非常にコストが高く、揮発性も高いため情報が失われやすい
- 作業中の「あれもせなあかん」「これはしなくていいんだっけ」という不安によって生産性は下がる
- スケジュールが遅れて作業に追われている時はなおさら不安が高まる
対策
- Todoは覚えなくて済むように全て外部に出力してリスト化する
- 出力先は手帳でもエクセルでもTrelloでもなんでもいい
- Todoが全て外部に出力されていつでも参照できる状態になっているなら安心して作業に集中できる
- それぞれのタスクが、どうなったら完了となるかを明らかにする
- 何が完了したか、何が完了していないかを把握できるようにするため
- できるだけ客観的に判断できる基準が望ましい
- 「いい感じになったら完了」というようなのは避けたい
- 「〜のレビューで承認を得る」というのはアリ
参考
全面改訂版の評価が悪いので旧版をオススメ
高梨、クソコミュニケーション野郎
- 遠藤さんと下柳さんのアレ
- 高梨が余計な言葉を付け加えてたり必要なことを言わなかったりして事態がこじれていく
問題点
- 伝聞やテキストコミュニケーションでは、どうやっても情報が失われる
- 直接のコミュニケーションだと本人の言いたいことが言語的なものだけでなく、表情や身振り手振りなどの情報も含めてダイレクトに伝達される
- 非言語コミュニケーションの情報量はえげつない
- リモートワークの最大の敵
- これを解決できる技術をまだ知らない
- 遠藤さんの重要感を失わせるような言葉
対策
- 話がこじれた・ややこしくなっている・認識が違ってそうという雰囲気を感じたら直接会って話をする
- 結果的にSHIROBAKOではイデポン展でそのようにして解決された
- テキストコミュニケーションではニュアンスなどの微妙な情報が失われて冷たい印象を与えてしまうので絵文字を積極的に使う
- 「相手に重要感を与える」のは「人を動かす三原則」のうちの1つ
参考
安原っち、テンパる
問題点
- 安原っちは相談をしない
- 井口さんに「聞くは一瞬の恥聞かぬは一生の恥」という助言をもらってその場で相談することを促されても相談できない
対策
- 近い人がメンターとして悩みを聞き出す
- 頼みがあるといって井口さんにその役目を任せた杉江さんの采配ナイス
- 困っていることをいいやすい環境を整える
参考
残業に次ぐ残業の結果、納期に間に合う
問題点
- 納期に間に合ってハッピーエンドという見せ方をしていてはっきりと語られていないがプロジェクトマネジメントは失敗している
- そうしないとエンターテインメントとして成立しないのでそういう見せ方になるのは仕方がない
- 現実に起きた場合、少なくとも改善点として対策を打たなければならない
- より多くの時間を投入して成果を得ているため、生産性が非常に低い状態にある
- 生産性 = 得られた成果 / 投入した資源
- 残業があるというのは締め切りがないというのと同義
- 締め切りがないのでダラダラ仕事をしてしまう
- どうせ残業すればいいという発想だと「慣れ」以外の要因で仕事の速度が上がらない
対策
- 残業をあてにしないようにする文化づくり
- 不足の事態に耐えられるスケジュールを組む
- パーキンソンの法則を念頭に置いたスケジューリング
- プロジェクトバッファを設けて不足の事態に耐えられるようにする
参考
高梨太郎の採用
- 問題を起こしまくる存在
- 瀬川さんの反応を見るに、愛されキャラというわけでは決してないのでたぶん一緒に仕事はしたくないタイプ
- ドラマをつくる上で、コンフリクトを起こす存在としての役割を全うしているとも言える
問題点
- お手玉を見ずに面接だけで曲芸師を雇うのか問題
- 面接オンリーでの採用というリスク
対策
- 面接だけで採用を決定するのではなく、実際に一緒に働いてみる
- 仕事ができるできない合う合わないはもちろん、文化的に合う合わないという確認をするというのが重要
- 現職では採用時に体験入社という形で有給をとって1〜2日一緒に働くという時間を取ってもらっており、実際に働いてみてお互いがマッチするかを確認しており、すごくいいチームになっている
参考
- 「修行」「弟子」「関門」「脱落」の謎を解け! 精鋭部隊が集まる採用の秘密 - SonicGarden 株式会社ソニックガーデン
- このたびソニックガーデンの7人目のメンバーになりました - give IT a try
えくそだすっ!プロジェクトの振り返りまとめ
- なんとか最終話まで品質を保持した上で納期に間に合わせたという点では成功した
- スケジュール管理という点では完全に失敗
- 生産性を下げてでもアート的な品質を高めるという文化があり、そのためには残業も厭わないというアーティストとして非常に正しい姿勢がこの問題の本質な気がする
- ビジネスなので利益を出さなければいけない
- 残業が多かったのでかなりコストがかかったのでは…
- 劇中、お金の話出なかった気がするが、洒落にならないんだろうか
- 請負契約が結ばれてるという話をそういえば聞いたような気がする
- 闇だ
- クリティカルチェーンが一番効きそうな気がする
- 採用は慎重に